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私たちを蝕む「酸化ストレス」
私たちが日々吸い込んでいる酸素は、生きていくのに不可欠なものです。しかし、そのごく一部、取り込んだ酸素の約2%は、体内で「活性酸素」と呼ばれる極めて不安定な物質に変化します。
正常な状態では、活性酸素は外敵から体を守るという重要な使命を果たしています。しかし何らかの原因で大量に発生すると、自らの体を攻撃してダメージを与えてしまう側面を持つ諸刃の剣でもあります。
通常は、活性酸素による障害は体内の酵素によって修復・再生されますが、活性酸素が過剰に生成され続けると、この修復・再生も追いつけなくなってしまいます。こうなると、体各部の脂質やタンパク質、糖、核酸などが酸化し、変性されていきます。この「酸化ストレス」が加わった結果、体がサビついた状態になるといえます。
酸化ストレスは様々な疾病や老化と関係
「酸化ストレス」そのものに、目立った自覚症状はありません。目で確認できるものといえば、日焼けによるシミぐらいです。しかし活性酸素が過剰に生成され続けると、酸化ストレスは知らず知らずのうちに体内に蓄積され、様々な病気というかたちで表面化します。(図.5)は、酸化ストレスが影響を及ぼしていると考えられる疾患を表しています。現在日本人の死因のトップを占める三大生活習慣病は、ガン、心臓病、脳卒中ですが、これらの原因としてあげられるのが、酸化ストレスなのです。
また酸化ストレスは、老化の原因の一つとも考えられています。酸化ストレスなどの細胞障害の蓄積が大きくなるにつれて、老化の進行が加速する危険性も高まると考えられるのです。〔田中雅嗣:遺伝(1998)〕
活性酸素から体を守る「抗酸化物質」は普段から食品で補給が必要
過剰に生成されると有害な作用を及ぼしてしまう活性酸素ですが、これに対抗する働きを持つもとのとして、「抗酸化物質」が知られています。抗酸化物質には、体内で生成されるものと、主に食品によって体外から取り込まれるものがあります。前者には体内にある各種の酵素、後者にはビタミン類や、カロチノイド、ポリフェノール、コエンザイムQ10(以下CoQ10(コーキューテン))といった物質があげられます。体内で活性酸素が発生した場合には、これら抗酸化物質等が活性酸素を分解、無毒化してくれるのです。
抗酸化物質の中でもCoQ10は第一線で働き、強力な抗酸化作用があることが認められています。また、CoQ10は体内でつくられ、体外からも供給が可能な点が特徴的といえるでしょう。〔山本順實NEW FOOD INDUSTLY(2002)〕
酸化ストレスマーカーとしてのCoQ10
酸化ストレスが加わった状態とは、「生体内の酸化と抗酸化のバランスが崩れた、生体にとって好ましくない状態」と定義されています。CoQ10は酸化ストレスに敏感に反応するので、酸化ストレスマーカーとしての役割が期待され、既に数年前に血清中のCoQ10に着目した酸化ストレスの測定技術も開発されています。健常成人の測定を行ったところ、還元型CoQ10と酸化型CoQ10の比率は96:4であり、健常者の場合、CoQ10のほとんどは還元型として存在することがわかりました。
この方法を利用して肝炎や心筋梗塞後の経皮的冠動脈形成術(PTCA)を受ける前後の測定を行ったところ、酸化型CoQ10の比率が高く、酸化ストレスが亢進していることが分かりました。
CoQ10を補給することで、こうした酸化ストレスの予防や改善が期待されています。〔山本順實Biofactors(1999)〕 |
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